Brand History, Development Of TECNICA

テクニカの起源は、いまから80年も前の1930年代に遡ります。イタリアの北部にある モンテベルーナの近郊、GIAVERAという小さな町で靴工場を興したのが始まりでした。

1960年、テクニカはそれまで続いてきた工場を発展させテクニカSpAを設立。その後、70年代に入ると同時に、テクニカにとって大きな転機が訪れます。

1970年、それまでに例をみない斬新なデザインを採用したアフタースキー用のスノーブーツを発表。前年の夏、アポロ11号が人類史上初の月面着陸に成功した際に、宇宙飛行士たちが履いていたブーツに似ていることから「MOON BOOT®(ムーンブーツ)」と名付けられたこの商品は、そのデザイン性とネーミングの巧みさから世界的な大ヒット作となりました。

さらに1973年、2種類の異なる素材をひとつの金型に流し込んで一体成型する“バイ・インジェクション”製法による世界初のプラスチック製スキーブーツとなる、「TECNUS(テクナス)」を発売。この2つのエポックメイキングな製品を世に送り出したことで、テクニカというブランド名は世界中に広く知られることとなり、飛躍的な発展を遂げていきます。

その後もTNTシリーズ、ICONシリーズ、DIABLOシリーズの発表や、滑走中にブーツに伝わる不要な衝撃や振動を吸収する“A.V.S.(アンチバイブレーションシステム)ソール”、ブーツの着脱を容易にする“ラピッドアクセス”の開発など、快適な履き心地と最高のパフォーマンスを発揮するため、人間工学と運動生理学に基づいた、徹底した研究を繰り返し、その成果をフィードバックさせた製品つくりをおこなっています。

1985年からは、アウトドア・シューズのコレクションを発表し、それまでのスキーブーツと「MOON BOOT®(ムーンブーツ)」を中心とした展開から、フットウェア全般を扱うメーカーへと舵を切りだします。その後、1989年にスポーツアパレル・ブランドの「Think Pink」を買収したのを皮切りに、「LOWA」、「DOLOMITE」、「NORDICA」、「BLIZZARD」、「ROLLERBLADE」、「NITRO」といった一流ブランドをその傘下におさめ、世界最大のスキーブーツメーカーとして、またこれらのスポーツブランドで形成される巨大グループの中核を担う企業として現在にいたっているのです。