Brand History, Development of Nordica


イタリア北部の小さな町、モンテベルーナに住むバッカーリ兄弟は、革製の登山靴やブーツを作る新鋭のブーツ職人として名を馳せていました。そしてこの兄弟が、1939年に立ち上げた新しいブーツブランド、それが現在のノルディカの礎です。
第二次大戦以降、スキーがポピュラーなスポーツとして広まっていくのにあわせ、ノルディカも革製ブーツからスキーブーツのメーカーへと変貌を遂げていきます。
そうした流れの中、1950年にアメリカのアスペンで開催されたアルペンスキー世界選手権で、ツェノ・コロ(ITA)がノルディカのスキーブーツを履き、滑降と大回転の2種目でチャンピオンに輝きます。この勝利を期に、ノルディカの名は、世界でも有数のスキーブーツメーカーとして広く知れわたるようになっていきます。

その後もノルディカのスキーブーツは、各時代を代表するトップレーサーたちの信頼を勝ち取っていきます。初めてアルペンスキーワールドカップ全5種目で優勝を果たし、4度の総合優勝を達成したピルミン・ツルブリッゲン(SUI)や、ノルウェー・チームの黄金期を支えたK.A.オーモットなど、特にオールラウンダーと呼ばれる選手たちの活躍もあって、高速系や技術系といったカテゴリーに関わらず、レース・シーンにおけるノルディカのスキーブーツの優位性は疑いの余地もなく、そのシェアを大きく伸ばしていくことになります。
この流れは、21世紀に入り、カービングスキーがスタンダードとなってからも続きます。2000/2001シーズン、ノルディカは新時代のレーシング・ブーツを市場に投入。それまでのレーシング・ブーツの系譜を受け継ぎながらも、カービングスキーがもたらした新時代のスキーテクニックに対応するために新たに開発された“ドーベルマン”シリーズは、シンプルなデザインとタイトでダイレクトな操作感により、多くのレーサーたちから圧倒的な支持を受けます。
そしてこの同じシーズン、ノルディカは、ついにスキー・コレクションを発表。斬新なデザイン・コンセプトとユニークなルックスから、ノルディカスキーはファッショナブルなスキーとしてマーケットから高い評価を受けます。
ノルディカスキー&ブーツは、その後も数々の成功を収めます。記憶に新しい2010年の冬季オリンピックでは、G.ラゾッリ(ITA/男子SL/ゴールド)、A.ミーラー(SWE/男子SL/ブロンズ)、V.レーベンスブルグ(GER/女子GS/ゴールド)という3名のレーサーのメダル獲得に貢献するなど、その性能の確かさが証明されています。

ノルディカの技術革新の歩みは、もちろんレース・シーンのみにとどまりません。70年代後半から90年代前半にかけて一世を風靡したリアエントリー・タイプや、バックルを使用せずワイヤーとレバー操作だけで着脱可能なハイブリッド・タイプ(スマーテック)など、レジャースキーヤーのニーズに応えるスキーブーツも次々と開発してきました。
またスキー・コレクションでは、スキーヤーにベストなフレックスとバランスを提供するXB(クロスバランス)システムを開発。その操作性の高さにより、世界中のスキーヤーから愛されています。そして現在では用具のみならず、スキーウェアやアクセサリーなど、フルラインでスキー関連商品を提供するトップブランドへと変貌を遂げています。

創業から70年を超える歴史の中で変わらないもの--。それはより良い商品をマーケットに供給するためのR&D(研究開発)への情熱と、そのための投資を惜しまない精神です。近年、ノルディカはそれまでの本社にほど近いジャベラ・デル・モンテッロという街に、4,300平米の敷地を有する新社屋兼R&Dセンターを設立。この充実した環境の中、情熱に満ちた多くのエンジニアやスタッフによって、世界中のあらゆるタイプのスキーヤーに、ベストな性能を提供するための製品造りが続けられているのです。